滋賀県木之本
琵琶湖の最北端、近江・木之本。この土地の風土が育んだ「あめ」「つち」「ひと」「とき」。ただその風味を味わうだけではない。冨田酒造は「地の酒」をこの地よりひらいてゆきます。
あめ
日本酒は、雨のうつし。
いにしえより山岳信仰の霊地であった伊吹山地の己高山。奥山にしんしんと降った雪と雨は、大地のフィルターに濾過され、40年の歳月をかけて蔵内の古井戸にたどりつく。わたしたちの仕込み水は、「地」の個性を汲んでいる。
つち
日本酒は、土のかたり。
酒米は、土地の物語。古代湖である琵琶湖にそそぐ姉川と高時川は、たびたび氾濫し、それが肥沃な土壌を育んできた。弥生時代からつづく湖北の農耕文化は、 賤ヶ岳の戦いなど戦乱の時代を超えて、今ここに受け継がれている。
ひと
日本酒は、人のおこない。
「ここ」と「むこう」のあいだに、日本酒はある。人と自然、ハレとケ、いのりとみのり。フタを開ければ、土地の風が吹きよせる。日本酒は、日本人のもっとも古い記憶とともにあり、ただの酔える液体ではない。
とき
日本酒は、時のかさね。
日本酒のみらいは、原点への「まなざし」にかかっている。北国街道沿いで天文年間(1532-1555)から酒蔵を営むわたしたちは、「むかし」と「いま」を共存させた酒造りをしている。雨・土・人の本来を見つめ直し、いまを生きる飲み物として、日本酒を伝えたい。







